初詣合格祈願医療事務講座

予防接種で防ぐ病気と副反応

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初詣合格祈願医療事務講座 予防接種で防ぐ病気と副反応

ポリオ(急性灰白髄炎=小児マヒ)

ポリオとは、感染の初期には風邪のような症状ですが、熱が下がるにつれマヒが起こり、これが後遺症としてのこることがあります。
ポリオウイルスは、感染した人の便中に排泄されたウイルスが口から入り咽頭または腸に感染します。
ポリオのワクチンは、3種類のワクチンを混ぜたもので、スポイドで飲んで接種します。接種後体内で増えながら免疫をつくります。
接種の時期は、生後3〜90ヶ月未満の間に2回飲みます。(2回目は初回から6週間以上たったあと)。
2回の飲まないと完全な免疫がつきません。標準的な接種時期は生後3〜18ヶ月の間です。
ポリオワクチンの副反応は、ほとんどない安全なワクチンですが、まれに(100万人に一人程度)ウイルスが脳に達し、マヒを起こすことがあります。

日本脳炎

日本脳炎とは、感染すると高熱が出て、死亡率は30%と高く、命をとりとめても知能や精神、運動神経に重い障害が残る場合の多い病気です。
「コガタアカイエカ」という蚊を媒介して感染します。人から人へ感染することはありません。
日本脳炎ワクチンは、日本脳炎ウイルスを精製し、不活化したものです。
日本脳炎の副反応は、接種後の2日以内に100人中一人以下の人に37.5℃以上の発熱が見られています。また赤みや腫れ、発疹や圧痛が見られることもあります。
※日本脳炎の予防接種が原因で、死亡者が出たため定期接種での接種は見送られています。どうしても接種を希望される方のみ、「同意書」をとって接種を受けます。

麻しん(はしか)

麻しん(はしか)とは、誰でも一度はかかる病気で、一度かかると免疫ができて二度とかかりません。
発熱、咳、鼻汁、めやに、発疹を主症状とします。
最初3〜4日間は38℃前後の熱で、一時的におさまりかけたかと思うと、また39〜40℃の高熱と発疹が出てきます。10〜12日で全身に特有の発疹が現れ、その後1週間ぐらいで回復します。乳幼児がかかると、高熱や咳で消耗しやすく、肺炎や脳炎を起こす可能性もあります。
麻しんのワクチンは、弱毒性で、接種後に体内でウイルスが増えて免疫を作ります。
接種時期は、生後12〜90ヶ月未満に1回接種します。
望ましい時期は生後12〜24ヶ月の間。特に1〜2歳の間にかかるケースが多いので、1歳になったら半年以内に受けるのが理想的です。
※ガンマグロブリンの注射を受けた者は、3ヶ月後、200mg/kg以上の大量療法の場合は6か月後に接種を受ける。(ガンマグロブリンは血液製剤の一種でA型肝炎等の感染症の予防目的や重症の感染症の治療目的などで注射することがあります)
麻しん予防接種の副反応は、接種後1週間前後から発熱や発疹など、軽い麻しんのような症状が約20%の人に出ます。これは通常1〜2日で治ります。また、まれに熱性けいれん、さらにまれに脳炎を起こすことがあります。

風しん(三日ばしか)

風しんとは、「三日ばしか」ともいわれ春先から初夏にかけて流行する病気です。乳幼児がかかっても比較的軽い発疹ですみますが、妊娠初期にかかると、先天性風しん症候群の子供が生まれる確率が高くなります。
潜伏期間は2〜3週間で、軽い風邪症状ではじまり、発疹、発熱、後頸部リンパ節腫脹などが主な症状です。その他、眼球結膜の充血もみられます。発疹も熱も約3日で治ります。
風しんのワクチンは、弱毒化性で、接種後に体内でウイルスが増えて免疫を作ります。
接種時期は、生後12〜90ヶ月未満に1回接種します。
風しん予防接種の副反応は、まれに軽い発熱、発疹、リンパ節の腫れ、関節痛などが見られます。
※妊婦は接種できません。また、接種後2ヶ月は避妊が必要です。

MRワクチン

MRワクチンとは麻疹風疹2種混合ワクチンのことで、麻疹(Measles)、風疹(Rubella)のそれぞれ頭文字をとってMRワクチンと名づけられています。MRワクチンを2回接種すると麻疹、風疹のワクチンを2回づつ予防接種したのと同じ事になり、これまで1回では予防効果がやや弱いと指摘されていた点が解消されるとされ、小児医療関係者にとっては待望のワクチンが認可されたと評価されているそうです。

DPT 三種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風)ワクチン

ジフテリアとは、感染する(飛沫感染)と筋肉の麻痺が起こり、心筋や呼吸筋の障害などが現れます。症状は高熱、のどの痛み、犬吠様の咳、嘔吐などです。

百日せきとは、非常に感染力の強い(飛沫感染)病気で、感染すると特有の激しい咳が1〜2ヶ月も続きます。乳幼児では重症になりやすく、肺炎や脳炎を併発することもあります。

破傷風とは、けがをした時に土の中にいる破傷風菌が傷口に入って起こります。菌の毒素により、神経の麻痺や筋肉のけいれんを起こし、死亡する確率も高い危険な病気です。人から人へは感染しません。

DPT三種混合ワクチンは、不活性ワクチン一種類(百日せきの免疫をつける)と、トキソイド二種類(ジフテリアと破傷風の免疫をつける)を混ぜたものです。 ※トキソイド二種類(ジフテリアと破傷風の免疫をつける)のみを混ぜたものがDT二種混合ワクチンで、DPT三種混合ワクチンの接種を受ける前に百日せきにかかってしまった人に使用されます。 接種時期は、1期(初回と追加)と2期に分けて行います。

DPT三種混合ワクチンの副反応は、注射部位の発赤、腫脹、しこりなどの局所反応が主です。百日せきのワクチンの副反応で24時間以内に発熱することがあります。

BCG(結核の予防)

結核とは、かつては主要死因の1位を占めていた病気です。現在でも年間4万人以上の新しい患者が発生しています。特に乳幼児は結核に対する抵抗力が弱いので、全身性の結核症にかかったり、結核性髄膜炎になることもあり、思い後遺症を残すことになります。
BCGのワクチンは、牛にかかる結核菌からつくられます。9本の針がついたスタンプを上腕の外側に押しつける「管針法」という方式で接種します。
以前は、BCGを受ける前にツベルクリン反応検査を受けなければなりませんでした。ツベルクリン反応検査が陰性(発赤部分が直径9ミリ以下)だった人のみが、検査から2週間以内にBCG接種を受けていました。しかし、最近はBCGの直接接種(生後6か月以内)の市町村もあるようです。
BCGワクチンの副反応は、接種をした側の脇の下のリンパ節がまれに腫れることがあります。化膿したりうみが出たりすることもあります。

水痘(水ぼうそう)

水痘は、2〜10の子供に多く発症する感染力の強い病気です。発熱とともに顔や頭、口の中をはじめ全身に大きさがふぞろいな赤い湿疹ができます。この湿疹の発生前から水疱がなくなるまで飛沫もしくは接触で感染します。
水痘ワクチンは、生ワクチンです。
水痘ワクチンの副反応は、まれに軽く発疹が出ることがあります。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)

おたふくかぜは、耳下腺炎の腫れと痛みが見られ、比較的軽い病気ですが、まれに髄膜炎を起こすことがあります。
おたふくかぜのワクチンは、ムンプスウイルスを弱毒化したあと凍結乾燥した生ワクチンです。
おたふくかぜのワクチンの副反応は、あまりありませんが、接種2〜3週間後、まれに一過性の耳下腺のはれや発熱がみられることがあります。



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